かくいうもの

いつでもきょうがいちばんたのしいひ

小説

吉田修一『悪人』

映画化されると聞いて小説を読んで、迷った挙句映画を見てきてた。なんだか悶々と心臓の近くに残っている澱みが、数日経っても消える気配がないのでここに吐き出しておこう。ネタバレしまくり注意。

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』を読んだら

『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの「マネジメント」を読んだら』読了。

1Q84 BOOK3

それはあまりにも長く、そして深い時間だった。 ため息に近い何かが漏れた。外からでは、神経を研ぎ澄まさないかぎり、そうして初めて辛うじて聞こえるであろう音を伴っていた。内からでは、地面の下を流れる地下水脈の猛々しい耳を劈くような、轟音とも思わ…

藤沢周『キルリアン』

キルリアン作者: 藤沢周出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/07メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 11回この商品を含むブログ (4件) を見る昔に貪り読んだ作家。藤沢周。 たまに文庫でポツポツと読む程度はしていたが。 洗練された文章の美しいこと。脳が…

津村記久子『ポトスライムの舟』

ポトスライムの舟作者: 津村記久子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/02/05メディア: ハードカバー購入: 3人 クリック: 43回この商品を含むブログ (129件) を見る 『カソウスキの行方』でユーモアに惹かれたので続けて読んでみたけど、どうもしっくりこな…

島本理生『大きな熊が来る前に、おやすみ。』

大きな熊が来る前に、おやすみ。作者: 島本理生出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 24回この商品を含むブログ (138件) を見る微熱のような体温を感じる。切なさと温もりと。 選ぶ言葉のリアルさが好き。ちょっと世…

伊坂幸太郎『モダンタイムス』

いつも予約がいっぱいのハズの伊坂幸太郎が、珍しく書棚に並んでいたので借りてきた。伊坂幸太郎は2冊目。もともと余り興味はなかったものの、前に読んだ『チルドレン』がなかなか面白かったし。実はコインロッカーも積んではある。モダンタイムス (Morning …

津村記久子『カソウスキの行方』

カソウスキの行方作者: 津村記久子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/02/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 50回この商品を含むブログ (75件) を見る久しぶりの読書。自分で「1日30分活字と戯れる」なんて書いておいて全く実践できてなかった。 笑い…

島本理生『生まれる森』

生まれる森作者: 島本理生出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/01/29メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (118件) を見る好きな作家だ。と言える一人。 と言っても読んだことあるのは「リトル・バイ・リトル」だけなんだけど。 しっかりと…

川上弘美『夜の公園』

夜の公園作者: 川上弘美出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2006/04/22メディア: 単行本 クリック: 16回この商品を含むブログ (126件) を見る なんだか印象が違う。「神様」とか「蛇を踏む」の印象が強いからそのギャップだろうか。作者の独特の「空気感…

舞城王太郎『阿修羅ガール』

阿修羅ガール作者: 舞城王太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/01メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 157回この商品を含むブログ (224件) を見る 読了。最近「読んだことない作家を読んでみようキャンペーン」実施中。 これもまた初舞城。非凡なもの…

伊坂幸太郎『チルドレン』

チルドレン作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2004/05/21メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 77回この商品を含むブログ (427件) を見る 初めての伊坂幸太郎。 軽快な語り口で、爽やかな読後感。最初にこれ読んだの正解かな。 登場人物の陣内…

川上未映子『乳と卵』

乳と卵作者: 川上未映子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/02/22メディア: 単行本購入: 7人 クリック: 175回この商品を含むブログ (259件) を見るだいぶ前に読み終えていたんだけど、どうにも自分の中に残ってしまっているのでここで書いておく。 その…