このマンガが凄い、と聞いて。中野ブロードウェイのまんだらけにあった1巻と2巻を購入。翌日3巻と4巻を購入。年末に漫画にハマった。
妄想と共に生きる35歳男の陰鬱とした生活。あーなんだこれ、欝マンガかあ、と思って作家調べたらボーイズ・オン・ザ・ラン書いた人だとわかって納得。自分の生み出した妄想に抗うために、魔方陣を作って散弾銃を抱いて夜を乗り越える。アイアムアヒーロー。松尾スズキが漫画家先生でアシスタント筆頭は三谷幸喜。ここらはツボ。どんな愛憎劇が繰り広げられるんだ、と読み進めていって、1巻最後に衝撃の展開。なんだこれ。想像の遥か斜め上。もしや妄想の続き、と思ったらどうやらそうではなく、まるで終末、いや地獄かのような凄惨な世界が眼前に広がっていた。スプラッターホラー開幕。英雄はただ逃れる。お前銃はどうした。松尾はチンコ噛みちぎられゾンビと化し、あげく三谷に殴り潰されて、その三谷は落下してきた飛行機の車輪に首を跳ね飛ばされる。怒涛のごとき世界の壊滅っぷりに呆然。逃げ延びた富士山の麓で、もう一人のヒーローと出会う。
…人間のほうがおっかない
これだけ人外(もとは人で、今も人かもしれないけど)の恐怖を散々見せつけておきながら、こういう台詞を吐いて来る。
電車の中で危機が迫ったときにさえ、妄想でしか銃を構えられず、首をすくめて小さくなることしかしなかった英雄が比呂美を守る為に銃を構える。何が変わった?何が変えた?恐怖?正義?ただ生き残る為?
それでも「死んでないと困る」のだ。苦しい。
高校生の比呂美の前でさえ頼りない男であり続ける英雄がヒーローと成り得るのかどうか。なんだか凄く魅せつけられてしまって頭ン中がパニックだ。
- 作者: 花沢健吾
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/08/28
- メディア: コミック
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