かくいうもの

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スガダイロー七夜連続七番勝負「第四夜 vs山本達久」@荻窪ベルベットサン

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荻窪のベルベットサンという青梅街道沿いのライブハウスでスガダイローと山本達久のバトルを目撃した。


三日前に急に決まった月曜休みだった。月曜休みということは、その前日の日曜日に出勤をした、という事実があるわけで。久しぶりの平日休みながら、もういっそのこと一日引きこもってしまおうかと言うぐらいの生産性に欠けた精神状態で、グダグダとしている内に午前中はあっという間に過ぎてしまい。それでも駅前までは出かけて用事を済ませるなど実際に体を動かすと、このまま何もせずに過ごしてしまうのは勿体無いな、という気になってくる。

で、あればだ。行きたいと思いながらなかなか手を出せていなかったベルベットサンに行こうじゃないか、となる。そういうふうに脳みそが出来ているんだ俺の場合。渋さでちっこいピアノで暴れまわっていたスガダイローがどんなプレイを見せてくれるのか。思いついたのは実際は昨日だったが、今日の気分で行くことに決めた。そう思った時点で、きっと気分を上々にさせてくれるに違いない、そんな予感がした。こういう時はいい出会いがある。予感がした時点でそれは当たるものなんだ。

音楽に浸かる、という快感

会場に入るとすでにスガダイローがピアノ前に鎮座している。この箱の主は俺だ、といった佇まいだ。
道路側にステージがあるのが面白い。窓があるので演奏中も通りを行き交う人や車が見える。これは良い演出かもしれない。JAZZは現実から切り離されるものではなく、どちらかというと、日常にいつの間にか音が鳴り出す、という感覚に近いものだと思っているので、ガラスで仕切られてはいるものの「その向こうには日常がある、何も知らずに、その場所を過ぎる人がいる」という前提を与えるために機能している気がする。実際は何も考えられていないかもしれないが。受け取り方は自由だ。


40人ほどが入ればいっぱいの箱だ。ドラムス山本達久が何処にいたのかと思ったら、スガダイローの隣で床に座っていた。時間になった。目で幾つかの会話が交わされて、音が鳴る。こっからは音楽の会話。最初は様子を伺うようにスガをチラチラ見ていた山本も、途中からはほとんど目を瞑ってスティックを振り続ける。対してスガは、睨むように山本を見ながら鍵盤を叩く。この二人の集中力の凄まじさ。次の音を逃さんと常に牽制しあう獰猛な獣が2匹。いや、牽制ではないか。音に反応して音が変わる、それはミュージシャンがよく言う化学反応なのだろうか。自然と体が揺れだす。音が洪水のように押し寄せてきて、すっかり体が音楽に浸かってしまって、音楽の波間を漂う。波の不規則なリズムにただ身を任せて揺蕩うあの感覚だ。非常に気持ちがイイ。


30分ほどのセッションを3回。それぞれ素晴らしかった。その音楽にの良さについては、何万字あっても再現は出来ないだろう。楽しい音楽の時間だった。ドラムはこんなにもいろんな音を出せるのか。ピアノは打楽器だということ。音楽は耳で聞くものではなく、体で聴くものだと。いろんな事を考え、感じた夜だった。

渋さがパッケージングされた大衆音楽なら、ここは源泉、音楽の生まれる泉だ。
逆か。渋さがそういう源泉をかき集めて出来た大河なのか。


兎に角楽しくてしょうがなかった。
今日誕生日の人は本当におめでとう。


さて、明日からの3日の内2日分を予約して来たので、荻窪に通わないとな。
定時に上がる言い訳を2つ、出来れば3つ用意をしておかなければ。


それにしても、毎日のように化学反応を起こしていたら大変なことになるんじゃないか。
あ、そうか。音楽自体がそうやって生まれてるんだ。


Ogikubo velvetsun -荻窪ベルベットサン-
スガダイロー 七夜連続 七番勝負
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