かくいうもの

いつでもきょうがいちばんたのしいひ

2020年に俺はナンバーガールと出会った。

ずっとすぐ側にいるような気がしてたんだけど初めての出会いだった。

まさか再結成するとは思わなかったし解散ライブの地札幌に住んでるなんて思いも寄らなかったし、人生とは本当にわからないものだ。

 


表題。再会ではなく出会い。

そう18年まえの解散の時、俺は「ナンバーガール」に出会っていなかった。

この18年間でカセットテープがまだあったならとっくに擦り切れてるぐらい再生された「OMOIDE IN MY HEAD」も「鉄風」も「透明少女」ももうとっくに俺の血になっていてとっくに出会っていたつもりになっていたけど、それはナンバーガールの作った音楽であってナンバーガールとではなかった。

ZAZEN BOYSのアルバムに没頭して何度もライブに通ったり、向井のソロライブに足を運んでいてもそれもナンバーガールではなかった。ベルベットサンでタバコを吸ってる時に隣に向井秀徳がいた入り、小谷美紗子のライブのゲストに田渕ひさ子がいたり、イースタンユースのライブで吉野寿が向井の真似してたりとか当たり前のように息遣いが聞こえていて昔から知る幼馴染みのように知っているつもりだった。

だから本当に勘違い、というか思い込んでた。

 


一曲目、ライブハウスにいた全員が予感してた通りに「鉄風鋭くなって」から始まって、18年という時間の長さを全く感じさせなかった。本当に。俺の知ってる(知らない)ナンバーガールのままだった。思い出は美化されるというからそういうやつなのか? ナンバーガールがいなかった18年の間に変わらなかった事の方が少ないはずなのに、何だこれは。ただ音楽に酔い、飛び跳ねている俺は猛烈に震動している。魂を心臓を鷲掴みにされて全力全身全霊。

 


もう何だかわけのわからないエネルギーに「透明少女」泣きじゃくりながら絶叫してた。パワーが圧倒的すぎて。

終演後、明かに高校生、のグループが「すごいね」「うん」とだけ噛み締めるよに会話してたけど、君たちの生まれる前に彼らの音楽はたくさんの大人を奮い立たせていたし、解散して君たちが今日ここで出会うまでの間にこれっぽっちも色褪せることも無かったんだぜ。

ライブ終わってから続いてる耳鳴りさえも愛おしい。このまま続けばいいのに。


今日の日こそOMOIDE  in  my  head 永遠に

 

 

OMOIDE IN MY HEAD 1~BEST&B-SIDES~

OMOIDE IN MY HEAD 1~BEST&B-SIDES~

  • アーティスト:NUMBER GIRL
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック
  • 発売日: 2019/05/01
  • メディア: CD