- 作者: クリス・アンダーソン,小林弘人,高橋則明
- 出版社/メーカー: 日本放送出版協会
- 発売日: 2009/11/21
- メディア: ハードカバー
- 購入: 133人 クリック: 3,796回
- この商品を含むブログ (533件) を見る
間違いなく今読んでおくべき本。少なくとも私は読んでよかっと思う。無料を使ってお金を生み出す、その市場の大きさの無限性。と同時にいかに創造的な考え方が必要なのか、という構造をわかりやすく解説している。
読み始めて2週間弱。1日1章か2章ののんびりペースでやっとこさ読了。
無料とは何か
21世紀の無料(フリー)は20世紀のそれとは違う。アトム(原子)からビット(情報)に移行するどこかで、私たちが理解していたはずの現象も変質したのだ。「フリー」は言葉の意味そのままに「無料で自由」であることになった。
「フリー」の歴史の探索から始まり、20世紀的な「物質的な経済」から21世紀的な「情報の経済」に市場が移りゆく中で変わりゆくビジネスモデルの「フリー」を考える。
今まで、「お金をとってきたもの」に「お金を払う」ことで、お金を得る。賢い人は逆の発想をする。これは創造的な考えに基づいている。
価格を決めるのは、「心理学」である。モノの実際の価値よりも、顧客が、「払おうと思う」ところに設定される。そして、21世紀のフリーは、それが限界的にゼロに近づく。
これは顧客の心理が変遷したから、というのは間違いで、
需要よりも、供給が先にフリーになったのだ。(それは、間違いないく創造的な考えの結果だ)
情報インフラがとてつもないスピードで値下がりし、無料のサービスが提供されるのが当たり前になった。それも質が高い。今や無料が当たり前なのだ。
しかし、正しい表現を使えば、「無料に限りなく近い」ということなのだ。googleをいくら使えども、お金を払っていないように感じる。実際自分は払ってはおらず払っているのは広告会社なので、その会社の商品に広告料が上乗せされていることになる。
だが実際、それは個人レベルに換算すると、「気にならないほど少ない」
そう。限りなくゼロに近いのだ。
これがこの本が語る「無料(フリー)とは何か」の一つの回答である。
著者自身がこの本を無料で公開(数量限定とはいえ)したことが素晴らしい。
自らが実践して無料(フリー)の創造力を示しているのだ。
それに単なる実験ではなく、実益を伴なっている。
むう。良書。頭が沸騰しそうだ。