とりあえず聞いてみろ。
わかる奴だけ付いて来い。
イースタンユースが好きだ。
昨日仙台でのライブに行ってきた。
こんなにカッコいいハゲたメガネのおっさんいないよ。今日はイースタンユースへの愛を語ります。音楽夜話第1話(続きあるの?
もう、滾らざるをえない。
15年ぐらい前、俺にもかろうじて存在していたハタチの頃の青い春。東京で初めて一人暮らしをしたときの話。若かりし日の俺は夢を抱いて、その道での生活を目指すために東京に出てきた、というのが半分の理由で、もう半分はとにかく実家から出たかった。親父と折り合いが悪く、ただもう一人になりたかった。これもありがちな理由だが。
なんもわからずに出てきたので、不動産屋に言われるがままに、西武新宿線沿線の都下、と言われる地域に居を構え、明後日の夢を見ていた。
んで、近所のファミレスで深夜バイト。そこで知り合ったのが唯一の親友となる男。深夜のファミレス、で郊外なんでひまだし、そもそも俺とその男の二人で回すので自然と仲良くなる。同い年だしね。彼はベースをやっていて当時はそんなに音楽に詳しくなかった俺に色々と教えてくれた。彼の影響で今の俺がある。フジロックに行くようになったのも彼に誘われたのがきっかけだった。今では毎年のように行ってるのは俺のほうだが。
そこで彼に借りた一枚のCDが俺のバイブルになった。
- アーティスト: eastern youth,吉野寿
- 出版社/メーカー: トイズファクトリー
- 発売日: 2001/08/08
- メディア: CD
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感受性応答セヨ。
体が震えた。心が震えた。心臓を鷲掴みにされた。
それから何度もライブに通った。拳を突き上げ、声を枯らすほど、喉が痛むほどに何度も叫んだ。滾らざるを得なかった。吉野の魂の叫び(ベタ過ぎる表現だけどこれが一番あう)に心がいつも揺さぶららていた。、イースタンユースがいたからこそ立っていられた。
鬼のような形相でときには客を睨みつけるように世界を睨みつけ、唾を飛ばしながらありったけの限りに叫ぶ。歌うというより叫ぶ。ギターを掻き鳴らす。SGの開放弦の響きが堪らなくカッコいい。心底惚れ込んで俺もSGを買ってしまった。もちろんYAMAHAだ。
一度渋谷のクアトロで鬼気迫るライブをしたことがあった。イースタンユースが苦しんでいたときで、MCでの吉野の言葉が怒りと悲しみに満ちていた。詳しく何かを語ったわけではないが、振り絞るように抗うかのように、魂を削り取るかのようにまっすぐに全力で生きる姿に号泣しながら俺も叫んでいた。俺がそのときに何か苦しいことを同じように抱えていたかはわからない。それがなかったとしてもあまりにも生のエネルギーに溢れていてとてつもなく圧倒的だった。
それからも何度もライブに通った、吉野と、二宮と田森の三人は間違いなく日本最高のスリーピースに間違いなかった。吉野が病気をしてから、それでも復活した後で笑っていたこと、これまた好きなミュージシャンの小谷美紗子との手紙のエピソードとか、愛すべきものがたくさんあって。
仙台に来てからワンマン自体にはなかなか行けなかったけど、フジで、アラバキで彼らと一緒に俺は叫んでいた。いつも泣かされた。ライブの後の耳鳴りが気持ちよかった。
今年2月、ベースの二宮の脱退が発表された。これはワンマンに何としても行って最高のスリーピースバンドを目に焼き付けておかなければ、と仙台のライブハウスへ駆けつけた。変わらなかった、最高にカッコよかった。二宮が抜ける不安から複雑な思いがあったけど、ライブ始まっていつものギターの音が鳴った瞬間、吹き飛んだ。やっぱ俺のバイブルはこいつらだ。これから二人になるイースタンユースは想像がまだできないけど、楽しみに待とう。また俺を滾らせてくれ。
- アーティスト: イースタンユース
- 出版社/メーカー: 裸足の音楽社
- 発売日: 2015/02/18
- メディア: CD
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